不登校でも人生は終わらない! 大学院へ進学した中卒の元不登校児(リュウくん第4話)

おがおがたちえ,橋本紋加,徳永竜備

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かつて中卒の不良少年だったリュウくん。しかし、高卒認定試験をきっかけに学ぶ喜びに目覚め、ついに大学進学を果たします。異色の人生を歩んだリュウくんが、不登校に悩む親子に向けて伝えたいメッセージとは?

漫画家のおがたちえさんが、元不登校の徳永竜備さんを取材。臨床心理士の橋本紋加さんによる解説とともに、体験談を連載漫画でお届けします。(毎週水曜更新)

リュウくんの場合 第4話

リュウくんのコメント
人生は選択の連続で構成されています。将来、何らかの大きな選択を迫られたとき、過去の勇気ある小さな選択の積み重ねがその意思決定にプラスの影響を及ぼしてくれます。その積み重ねは、大人になってからでも十分間に合うので、不登校で悩んでいる子は、焦らなくて大丈夫。多少、敷かれたレールからはみ出してしまっても未来で挽回が可能だということ、そして、その力は誰しもが兼ね備えていることを忘れないでください。

不登校のお子さんを持つ親御さんにお伝えしたいことは、ただ一つだけです。必要なときがくれば、お子さんは自分で学びます。学び始めるタイミング(早い時期から学ぶこと)は、然程重要ではありません。重要なのは、学びに対する動機です。その動機を得る機会は、今後たくさんあると思うので、今は未来のお子さんの力を信じて、そっと力を溜めさせてあげても良いかもしれません。

臨床心理士・橋本紋加先生のコメント
知識が増えると人生の選択肢が増えるということをリュウくんは実感できたようです。辛い時や頼れる人がいない時、ひとは選択肢が「これしかない」と思いがちです。かつて不良グループの仲間になるしか辛い日々の逃げ道がなかったリュウくんも、学ぶ楽しさを知り世界が広がったことで広い視野を持つことができるようになったのではないでしょうか。

ポジティブな思考もネガティブな思考も、選択肢の一つにしかすぎません。悩んだときは、「今は実現不可能」と思える選択肢も含め、リュウくんのようにいろいろと考える癖をつけておくと、いざというときに役に立つと思いますよ。